2020年東京オリンピックエンブレム盗作疑惑に、ベルギーデザイナー提訴?そのメリットとは

 

2020年東京オリンピックのエンブレムが海外のロゴマークに似ていると指摘されている問題で、JOC=日本オリンピック委員会は、ベルギーのデザイナー側から、東京オリンピックのエンブレムの使用の差し止めを求める文書が届いていたことを明らかにし、8月5日、エンブレムの制作者である佐野研二郎氏が記者会見を行った。

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毎日オリンピック関連のニュースで賑わせていますね。
以前ロゴについて記事を書きましたが、まさか盗作問題に発展するとは思っていませんでした。
前の記事を書いてそのままというのも何ですので、記事を書いてみることにしました。

 

内容を簡単に説明

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●ベルギーのデザイナー(オリビエ・ドビさん)

「私が作ったリエージュ劇場のロゴとそっくりじゃないか!盗作だ!著作権侵害だ!使用を止めないと提訴しますよ!」

 

●東京オリンピックの組織委員会

「世界中の商標を6週間掛けて確認をしており、問題ない」

 

●デザイナー佐野研二郎さん

「見たことも無いし、ロゴの意味や展開が全く違うし、似てない。非常に残念」

 

●ネット民やTVコメンテーター

「似てない!これが似てたら世の中全て盗作」
「同じにしか見えない。盗作だ!」

 

と、こんな感じで大事に発展しています。
世界中が注目するオリンピックだからしょうがないとは思いますが…。

説明にも出てきましたが、デザインには著作権や商標権というものが存在して、その違いを簡単に説明します。

 

【商標権】

一番最初に特許庁に対して商標登録出願を行った者に対して与えられる。(登録主義)

 

【著作権】

著作物が完成した時点で権利が発生する。(発生主義)

しかも著作権に関しては、このような補足を発見しました。
相手方がこちらの著作物を全く知らずに著作物を創作した場合、著作権の効力は及ばない。
著作権自体は著作物を創作するだけで発生するが、いくら似ている著作物であってもこちらの著作権を全く知らない相手には権利行使をすることができない。

「知らなかった」が通用する(こともまれにある)

 

 

なぜベルギーのデザイナーの方は提訴まですると言っているのか。

これは個人的な想像で物を言いますが、「売名」「莫大な使用料の支払いを期待」でしょう。
デザインに従事する人間として正直、本人も似ていない部分も多いと気づいているはずです。

 

少し前の話しで新国立競技場の整備計画を再検討した話しでも契約済みの59億円は大半戻らないという話しがあったばかりですが、今回の裁判の着手金や報酬も血税から払われるのでしょうか。

 

また、莫大な使用料も払うとなれば、税金は飛ぶように消えていくでしょうし、残念です。

 

 

佐野研二郎氏のロゴの説明

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大きな日の丸をイメージさせるものにもなるのではと思い、“T”の文字と正円を組み合わせたデザインができるのではないかといい所から、9分割のグリッドをベースに“T”と正円を組み合わせたデザインにしたという。

もともとの“T”からすると右下の銀色の部分は上に来るのが通常だと思いますが、赤い丸を“心臓”の位置に置きたいとの考えがあり、入れ替えた。
さらに、今回の東京2020のエンブレムは、ここから進化・変化するロゴで、アルファベットになる展開を説明した。

 

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まとめ

今回の騒動で、感じたのは、このロゴが盗作とされてしまうのであれば、世の中の物大半が盗作なのでは?という事です。身の回りの物をよく見渡してみると、完全にオリジナルって物は見当たりませんし、様々な企業が作っている類似の物やデザインが沢山あるはずです。

それにフォント(書体)からデザインされたものは、ベースが文字なので特に似てきます。
これが過去作られたものと少し似ているから盗作だ!と騒がれていたら何も生み出せない世の中になってしまう気がします。

勿論パクリはよくないですが、見たものに影響されない人は一人も居ないでしょうし、文字や物なども世界共通の物は沢山あるので、今回のように悪意を感じられないものを取り上げるのはいかがなものかと思いました。

ただ、今回のニュースで、デザインの仕事に携わる者としては、今後身を引き締めて行きたいと思いました。
そして東京オリンピック楽しみです!

 

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